『これぞプロの技　ページをめくるたびに圧巻ともいえる景色と遭遇』
日本にもこんなに素晴らしい景観があったのだ、ということをあらためて知らしめる写真集です。アマチュアの写真とは全く別世界のものと言うべき出来栄えで、掲載されている50か所の写真のどれもが素晴らしい発色で、またとないシャッターチャンスを捉えた芸術作品でした。

大沼公園と駒ヶ岳（北海道）、三国峠の樹海（北海道）、層雲峡渓谷（北海道）、積丹半島のローソク岩（北海道）、能取湖のサンゴ捕（北海道）、オホーツクの流氷（北海道）、神秘の湖青池（青森）、弘前城の夜桜（青森）、立又渓谷二ノ滝（秋田）、夏の仏ヶ浦（青森）、雄物川の恵み（秋田）、松島の五大堂（宮城）ほか、他では味わえない景観との遭遇です。

見慣れた京都の「石塀小路」「伏見稲荷の鳥居」も良い雰囲気で撮られています。冬の草千里ヶ浜（熊本）、宮古島の海（沖縄）まで、通常の写真集では味わえない輝きが感じられ、その場所の最高の瞬間を切り取ったものですから、多くの人が必ずや称賛する出来栄えだと思います。写真を眺めているだけで、その土地に行きたくなりますし、心が癒されます。それぞれの美しい瞬間から和みを与えてもらいました。

ただ、本書が渋川育由氏によって編纂されたのは分かりますが、それぞれの写真を撮ったカメラマンのデータがないので、そのあたりは不思議でした。一人の人がもし撮り続けているとしたらあまりに素晴らしい業績ですし、多くのカメラマンが関わっていたとしても名前は挙げるべきでしょう。それとも渋川育由氏が全てを撮られたのでしょう。そのあたりが本書に何の記述もありませんので良く分からないですね。