パリで出会った15歳のポールと14歳のミシェル。おたがいを「運命の相手」だと信じた彼らは、ふたりだけの生活を送るために、かつてミシェルが暮らしていた南仏のアルルへ向かう。14歳の妊娠、出産という展開で、公開当時は話題を呼んだティーンズ・ラブストーリー。初恋のときめきや、その恋への一途さがあまりにストレートに描かれている点は、いま観るとかえって新鮮だろう。背景となる南仏ののどかな風景も、ふたりの恋を祝福するかのように美しく輝いている。
音楽を担当しているのがエルトン・ジョンで、タイトルの「フレンズ」から、南仏へ向かう昂揚感を表現した「ハニー・ロール」、叙情的な「四季のテーマ」まで、そのメロディと歌詞はピュアな物語にぴったり。主演ふたりは続編にも出演したが、本作での演技は、瑞々しいことこの上なし! とくにミシェル役のアニセー・アルビナは、純粋さと悩ましげな魅力を兼ね備え、公開当時、日本でも大人気となった。その後、女優として活躍することのなかった彼女は、本作の胸を締めつけるラストシーンとともに、ファンの心に永遠に焼き付けられたのである。(斉藤博昭)