『心の洗濯or酩酊?』
非常に美しい文章で人との出会い、書物との出会いを綴っている。如何にもクリスチャンそれもバリバリのカトリック信者らしい清明なやや芝居がかってさえいるような文体はですます調で、カマトトではと訝られるがそれでもやはり心洗われる思いがする。
同時並行で雨宮処凛の凄惨な自伝も読んだのだが、その対比が絶妙であった。
決して真似できないこの生き様に感嘆と尊敬と微かな疑念も感じつつも、代え難い読書体験に☆5つは付けざるを得まい。
就寝前に少しずつ読むのに適した内容だと思う。
表紙&裏表紙の挿画には何のクレジットも無いが、本文で言及されたジョルジュ・ラザールの作風を彷彿とさせて実に味わい深い。
出版元が「女子パウロ会」という事も相まって、本自体が一つの芸術作品とも言うべき奇跡的な本ではなかろうか?