『扇先生の最高傑作』
「まりみて」の人たちが「ガンパレ」をやってる作品
と書くとわかりやすいだろうか。
村崎氏のイラストに惹かれて購入した本作は、
小説としても当たりだったように思う。
設定そのものにオリジナリティーは感じなかったが
キャラクターたちの等身大の物語には胸を打たれた。
主人公が欝になってしまったりするが、
それも青春。
巨大ロボットに乗って化け物と戦う(訓練だけだけど)学園生活を
たんなる学園ラブコメよりも「リアル」に感じるのは
登場人物たちが「本物の」苦悩を抱え、それを克服しようと努力する姿を、
作者本人が真摯な態度で描写しようと心がけているからではないだろうか。
これを読んだ後、作者のほかの作品も読んでみたが
個人的にはこの作品がもっとも良かった。
SF要素も強く、万人にお勧めできる作品ではないが、
もしどこかの本屋で出会うことがあったら
手にとってみてほしい。