元ロデオの世界チャンピオンだったサニー(ロバート・レッドフォード)は、豆電球で飾り立てたいでたちでコーンフレークのCMに登場する現在のタレント業に嫌気がさし、麻薬注射でダメにされかけている名馬とともに脱社会を図り、そんな彼を特ダネ狙いの女性記者(ジェーン・フォンダ)が追いかけていく…。
『大いなる勇者』、『コンドル』などロバート・レッドフォードと名コンビを組みながら秀作を世に送り出しているシドニー・ポラック監督が、原題“THE ELECTRIC HORSEMAN”が象徴するように、電飾に塗り固められた文明社会への警鐘の意味を込めて描くヒューマン作品。ただし、その語り口は軽妙洒脱で心地よいものがあり、単なるメッセージ映画に終わっていないところが良い。ディヴ・グルーシンのさわやかな音楽も妙味。(的田也寸志)