『書かずにおれない』
こんな本があったとは。
ここに描かれている「脳内彼女」には、オタクやモテない男が自嘲的に使う意味合いは全くない。
脳内にて、自分の想像だけで作りあげた人格と恋愛が成立するのか、というテーマに真っ向から取組み、脳内恋愛の実現を丁寧に指南している。
最も難しいのは、「脳内に作り上げた人格が自分にとっての意外性を持った行動をとれるか」という点にかかっている。
脳内彼女が、自分の思い通りに動くのならそれは、別個の人格としてとらえることはできない。
本書の著者、松下氏は「ケンカすることもある」と言い切っている。
そして、「別れ」もあると。
松下氏にとって「脳内彼女」との恋愛は普通の恋愛と何ら変わりないのであろう。
私は、本書を読んでその域に達することができるであろうか。