『著者のファン向け』
講演会や他の著書ですでに著者になっている人向け
本より先に、講演の方をお勧めします。
私は講演を聴いてファンになって読んだのですが
本から入ったら好きになれない本でした。
内容は良いのですが、書き方のスタイルというか
目線というのに違和感があります。
しょっぱなから著者の
”偉そうに振る舞っている感じ”が伝わってきてしまうことです。
具体的にいうと、
・最初から、”自分は人たらしとよく言われている”
・何度も利用しているホテルだと、チェックインを省略してもらいたくなる
・自慢げなエピソードや卑近な(応用できない)サプライズ例
これは著者ではなく、著者の個性を効果的に伝えられない
編集者の責任なのではないかと思います。
講演会では、著者の人の良さが伝わってくるのでむしろ
ファンになってしまうだけに、この本は残念です。
思うに、著者の良さは自分のストーリーを熱く語ることにある
だからその講演は魅力的なのだと思います。
この本は、そうしたエピソードをHowToにまとめてしまったので
著者に対する信頼がないまま、テクニックやヒントだけを熱く語られると
偉そうに感じてしまう。
飲食店のオーナーだけに、一般の人よりサービスに対してプロフェッショナル
なのは分かります。
ただ、一般人の金銭感覚をはるかに通り越した“驚き”を話されると
アドバイスというより、自慢話を聞かされている気がします。
著者が紹介するエピソードの大半は
”それはあなたが有名人で、しかもそこそこお金を持っているからしてもらえた/できたんでしょ?”
っていうものばかり。
たぶん、著者にはそういった意図はないのでしょうけど。
”パンがなければお菓子を食べろ!”とか平気で言いそうな印象を受けるでしょう(笑)